なぜ彼女たちは、頑張ることをやめられないのか

     

 

仕事、家事、育児、どんなときも頑張り続ける女性。
見渡すと、あなたの周りにもたくさんいるのではないでしょうか。

彼女たちは、自分たちが頑張り過ぎていることに気づいていません。

だから、心や身体が悲鳴を上げて、体調不良という強制終了がおこるまで、頑張ることをやめられない、無理していたことに気づけない、そんな状況になってしまうんです。

なぜ彼女たちは、そこまで頑張り続けてしまうのでしょう。

そういう性格だから?

いえ、性格が理由ではありません。

彼女たちが、頑張り続ける理由は、頑張り始めた“きっかけ”にあるんです。

そんな頑張ることをやめられないひとりの女性の物語を紹介します。

頑張ることをやめられない彼女の物語

深夜2時。電気を消しベッドに横たわると、会社での今朝の出来事が思い出された。

目をつむり、深く深呼吸をすると、あの時の感情がよみがえる。
胸が鈍く重苦しい。


彼女は社員6名の小さな広告代理店に勤めていました。

入社してまだ3年。けれど、先輩社員と同じくらいか、もしくはそれ以上に仕事を任され、会社の利益の多くに貢献していました。

「この案件は、おまえがやって」

社員揃っての定例ミーティングが開かれる月曜日の朝。
一人一人、仕事の進捗状況の報告を行う中で、社長から彼女に新規の案件が任されました。

デスクの前の壁に貼られた、A4用紙いっぱいのToDoリスト。
ギリギリのスケジュールをなんとか回すために、息をつく暇もなく仕事をこなす日々。

彼女のキャパシティは、もう限界ギリギリを迎えていました。

「これ以上は……無理です……」

社長の指示に、少しうつむきながら、答えます。

泣きだしそうになるのをこらえながら、振り絞るように出したその声は、普段の彼女からは想像もつかないような小さな声でした。


「どうしよう、先生におこられちゃう。はずかしい……」

5歳の彼女は自分の足元にできた水たまりを見つめています。
そこは、彼女が幼い時に通った幼稚園の教室。

トイレを失敗するなんて、いつもちゃんとしている彼女にとっては珍しいことでした。

職員室で、借りた下着に履き替えながら、泣きじゃくる彼女。

「大丈夫だよ、そんなに気にすることないよ!」

先生が、彼女の背中をさすりながら、笑顔で慰めています。

「だって……お母さんが……はずかしい」

「おもらししたこと、お母さんに怒られるのを心配しているの?」

先生の問いかけに、ううん、と首を横に振ると、家にいる母親の姿が浮かんできました。

薄暗い和室に浮かび上がる、母親の後ろ姿。

居間の隣にある和室の小さなテーブルで、毎晩、テーブルライトの明かりを頼りに内職をしています。

母親は、子供のころからひどい弱視で、目を使う仕事は負担が大きく、いつも重い頭痛に悩まされていました。

その背中からは、苦労や疲労がにじみ出ています。

「お母さん!」

彼女が話しかけると、疲れた顔をこちらに向けて「なあに?」と答える母親。

そんな母親の顔を見ると、みぞおちのあたりにちょっと重苦しい何かを感じました。

次々に浮かび上がる、幸福そうではない母親の姿。

すると突然、母親の顔がぱぁっと明るくなり、幸せそうな笑顔がこぼれます。

母親の横には、幼稚園の友達のお母さんが立っています。

「--ちゃんは、本当にしっかりしているわねー。この間も幼稚園でね、----」

友達のお母さんが、幼稚園での出来事を話し、彼女のことを褒めています。

―お母さん、笑ってる。私が褒められると、お母さん嬉しいんだ! お母さん、笑ってる!

母親の笑顔を見ると、それまでみぞおちのあたりに感じていた重苦しいものがすっと抜けていき、とても嬉しい気持ちになりました。

―お母さん、私、みんなから褒められるようなしっかりしたいい子でいるよ!
お母さんのこと、大好きだから!

気が付くと、朝陽が差し込み明るくなった部屋のベッドで目が覚めました。

頬には涙がつたっています。

ああ、そうだった。
私、お母さんが笑ってくれるの、嬉しかったんだ。
だから、いい子でいたかった。
人から褒められるようないい子でいたかった。

今見た夢の余韻が、胸の中にひろがっていきます。

「わたし、お母さんに笑ってほしかったんだなー。ずっとずっと、お母さんを笑顔にしたくて頑張っていたのかも」

お母さんが大好きだから、笑って欲しかった

心の中に眠っていたその思いに気が付くと、なぜだかわからないけれど、あとからあとから涙があふれてきました。

 

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頑張ることをやめられない意外な理由

これまで、たくさんの頑張ることをやめられない女性たちから話を聞いてきました。

もう、心も体もボロボロなのに、自分が頑張っている自覚がなく「まだ、頑張りが足りない」と思っていた彼女たち。

どうして彼女たちが、そこまで頑張ってしまうのか。そこには、本人たちも忘れてしまっているある思いがありました。

「お母さんに、笑ってほしかった」

中には、母親との関係が良好でない人もいました。けれど、そんな関係性でも、心の奥の奥にあったのは「お母さんに笑って欲しい」という思いだったんです。

記憶もないような小さなころ、自分が頑張ることで「お母さんが笑ってくれる」ことを知りました。

その小さなころの自分が、20年、30年経っても心の奥に住んでいて、いつでもどんなときでも、頑張ることが当たり前の自分になっていったんです。

もしかしたら、頑張ることをやめられないあなたの心の中にも「お母さんに笑って欲しい」という思いが眠っているのかもしれませんね。

 

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