生まれながらにして共感力が人一倍強い「エンパス」と呼ばれる人がいます。
エンパスの人は、その共感力の強さから、人間関係に疲れがち。自分がエンパスであると自覚し、エンパスに対する理解が深まると、日常生活を送るうえで対策することができます。
これまでエンパスの女性のケアを行ってきた中で知ることができたエンパスについての詳しい解説と、共通してみられる特徴を紹介します。
共感力が強いエンパスとは?
エンパスの意味
エンパスとは、empathy(共感、感情移入)の力、empath=共感力のこと。
共感力という言葉の意味だけ捉えると、相手の気持ちを理解したり、推しはかったりしながら、寄り添う力の事のようですが、エンパスと言う場合は、相手の感情やエネルギーに対して敏感で、共感力が人並み外れて強いことを指します。
エンパスの特徴
エンパスとは、共感力が人一倍高いことですが、エンパスは共感力が高いだけではありません。エンパスをオフにすることができないと、無意識に相手に共感し、共感した相手の感情やエネルギー思考などを自分の内面に取り込み、くっつけてしまう特徴があります。
例えば、相手の感情をまるで自分の感情のように感じてしまったり、目の前の人の体調不良をもらっちゃうというようなことが起きるんです。
エンパスは病気ではない
エンパスは、病気ではなく、生まれつきの体質です。共感力が人一倍強い人は、エンパス体質であるということ。
エンパスという概念を日本で広めたローズ・ローズトゥリーさんによると、日本人の5人に1人がエンパス体質で、アメリカ人と比較すると割合が高いそう。
人により、共感力の強さに違いはあるものの、5人に1人がエンパス体質ならば、エンパス体質は特別なものではないということが分かりますね。
HSPとエンパス
エンパスと同じような、敏感で感受性が強い人はHSP(Highly Sensitive Person)と呼ばれています。
「HSPとエンパスは同じなの?違うの?」という疑問を持つ人も多いようですが、HSPとエンパスの関係性については、エンパスはHSPに含まれるという見解です。
HSPの中でも、特に相手の感情やエネルギーなどに対して敏感で感受性が強い人が、エンパス体質。
つまり、エンパス体質の人はHSPであると言えますが、HSPだからと言って、エンパスではないということ。
また、エンパスの特徴として、その感受性がスピリチュアルな能力の一つであるということも挙げられます。そのためエンパスの人の中には、スピリチュアル的なものに対しても感度が高い人がいます。
HSPとエンパスの違いについて詳しくは、『【HSP・エンパスかも?】感受性・共感力が強すぎてつらい人の12個の特徴』にて解説しています。
エンパスの日常にある20の特徴
これまで、多くのエンパスの人たちと出会ってきたなかで、共通してみられる特徴や行動パターンを紹介します。
1 他人の悩みを自分のことのように感じて一緒に悩んでしまう
2 具合の悪い人と一緒にいると、同じ場所が具合が悪くなる(病院が苦手)
3 テレビで残酷なニュースは、辛くて見られない
4 悪口を聞いていると具合が悪くなる
5 人の話を聞いていると、それが自分の感情なのか相手に共感しているだけなのか分からなくなる
6 人が怒られていると、自分が怒られたみたいに辛い
7 相手が口に出さなくても、気持ちを察することができる
8 犬や猫など、ペットの気持ちが何となくわかる
9 他人や霊的なものの感情をもらい、自分の感情が動いてしまう
10 土地や場所などの悪いエネルギーをもらってしまう
11 相手に合わせるのが得意
12 あなたはどうしたいの?と聞かれると、自分のことが分からないことがある
13 人の話を聞きながら、まるで自分が体験したような気持ちになる
14 一緒にいる人によって、自分が変わってしまう
15 眠りが浅い(常に外に神経が張り巡らされているため)
16 人混みや満員電車が苦手
17 相手の気持ちや考えを想像する癖があり、思い込みや勘違いがよくある
18 嘘が分かる
19 自分でも気づかぬうちに他人の隠された意図を汲んで行動してしまう
20 本音に勘づいてしまう
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エンパスの人が疲れやすい理由
エンパス体質の人は、相手に共感するだけでなく、他人の感情を自分の感情と無意識に融合させてしまうという特徴があります。そして、その特徴のために、辛さや疲れを感じています。
・場や人に左右される
同じエンパス体質の人でも、人それぞれに感受性が強い分野が異なりますが、エンパス体質の人全般に見られる傾向として、場や人のエネルギーにとても左右されるという点があります。
なぜなら、エンパスのスイッチをオフにできないと、常に自分の内面が、外からの刺激に影響を受け続けている状態に置かれてしまうからです。
・自分と他の境界線が曖昧
エンパス体質の人が、特に辛さを感じるのは、他人の問題を自分の問題にしてしまうこと。
今感じている自分の感情や考えが、自分の感情や考えなのか、相手のものなのか分からなくなってしまうため、苦しんでいる他人を目の前にすると「どうにかしてあげなきゃ」ではなく「どうにかしなきゃ」と他人の問題を自分事にしてしまうということが起きてしまいます。
けれど、それは相手の問題です。自分がどう問題を解決しようとしても、解決することはできません。だから辛くなってしまうんです。
・自分不在の状態
自分と他との境界線があいまいなことで、自分がまるで他人に自分を占領された状態になってしまいます。
「自分がどうしたいか分からない」そんな自分不在の状態は、自分の本当の感情や考えを知らず知らずに我慢しているということ。我慢が続けば、当然疲れてしまいます。
・先回り行動
エンパス体質の人は、相手の言葉にならない気持ちを察してしまいます。すると、相手が口にしていないことでも、先回りして相手のために行動してしまいがちです。
例えば、目の前に忙しそうにしている上司がいます。上司は「コピーを取りに行こう」と思っていました。それをあなたは共感能力で察知し、頼まれてはいないけれどコピーを取りに行きます。
これは、単に察しがいいだけではなく、相手のことを自分事にしてしまう特徴のために「上司が忙しいのは自分がコピーを取りにいかないからだ」と責任を感じてしまうからなんです。
これが、エンパス体質特有の先回り行動です。
こんな風に先回りして他人のために行動してしまうため、疲れてしまうんです。
関連記事:共感力が強くて辛い……。エンパスの人が楽に生きるために必要なこと
エンパスの間違った対策
エンパスの人が間違えやすい対策として、「感じないようにする」というものがあります。
実際は、感じていることを
・感じていないふりをする
・気のせいで片付けようとする
・考えすぎだと思う
いろいろと感じるのが辛いから、感受性をないものにして、やり過ごすというもの。
しかし、感じているものに蓋をすることは、逆効果。より、疲れやすくなったり、辛さが増してしまいます。
エンパスが幸せに生きるための対策
エンパス体質の人は、周囲からの影響をとても受けやすく、ひどい場合は体調不良などを起こしてしまうこともあります。
身体への負担としては、以下のような症状が現れる場合があります。
・睡眠障害
・脳の慢性的な疲労感
・筋肉の凝り
そのため、ダメージを軽減するための対策を取ることをおすすめします。
エンパス体質によるダメージを受けない方法は3つあります。
1.日常の習慣を変えて、外からの影響を最小限にする対策
・自分と他人の思考を切り離す習慣を身につける
・睡眠を深くする
・人間関係を見直す
エンパス体質の具体的な対策については、『エンパス体質の人が、自分を守るためにできる14の対策』にて紹介しています。
2.エンパスをオフにする
・人と俯瞰で話す
・エンパシーオフスイッチを知る
・思考を止める
エンパスをオフにする方法については、『エンパス体質の人必見!エンパシーをオフにする3つの方法』にて紹介しています。
3.エンパス体質を改善する
・自分の気持ちも他人の気持ちも分かったうえで判断する
・人の気持ちが分かったら、コミュニケーションで確認する
エンパス体質の改善については『共感力が高くてつらい、エンパス体質を改善した方法』
エンパス体質が改善すると以下のような変化が起きます。
・怖がりが改善する
・不安が改善する
・睡眠が深くなる
・他人の言動が気にならなくなる
・自分を主体に行動できるようになる
・仕事に行っても過剰に疲弊しなくなる
ただし、体質改善には時間がかかるため、根気よく取り組むことが必要です。
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エンパスの生き方
エンパス体質の人が、ダメージを受ける一番の原因は、自分と他人の境界線が曖昧であること、自分と他人を融合させてしまうことにあります。
エンパスの自覚がない場合や、エンパシーをオフにできない場合は、常に他人軸で生きることになります。そのため、エンパスの生き方として大切なことは、「自分と他人を切り離して生きること」。
エンパス体質の人が、他人の人生ではなく「自分の人生を生きる」ためには、まずは自分の感情や考えが本当に自分の物なのかを確認し「自分と他人の線引きをする」ことを習慣づけることが大切です。
自分と他人をしっかりと切り離して生きることができるようになると、エンパスの共感力をポジティブに活かすこともできるようになります。