
職場の隣の人が「あ!」と声を上げただけでびっくりしてしまう
人の気持ちが分かりすぎてしまい、気疲れする
他の人が気にならない臭いにも敏感で、不快になることが多い
そんな風に感受性が強い人は、日常生活に支障が出てしまうと「もしかして病気?」と不安に思ってしまう場合もあると思います。しかし感受性や共感力が強い・敏感すぎる人たちは、ある一定の割合で存在するんです。
感受性が強いためにストレスを感じやすく、子供のころから生きづらさを抱えているのなら、病気ではなく生まれつきに刺激に敏感な感受性が強い人かもしれません。
感受性の強さが原因で、生き辛さを感じているようなら、ますは、感受性の強さが生まれつきの特性であるとういことを自覚することです。そして、どんなことにストレスを感じやすいかが分かってくると、ストレスを回避する対策を取ることができます。
感受性が強い人の特徴を紹介しますので、まずは、自分の感受性の強さを自覚してみてください。
感受性が強いとは
そもそも、感受性が強いとはどういうことなのでしょう。まず、感受性の意味について調べてみました。
感受性の意味
外界の刺激や印象を感じ取ることができる働き。
出典:goo国語辞書
自分の外の世界で起きた事柄から、痛い、怖い、美しい、清々しい、など様々な感情を得る能力が感受性ということですね。
こうした感受性は、人間なら誰しもが持っている能力だと思います。毎日生きている中で、自分の外の世界から、まったく何も感じ取らずに生きている人はいないと思われるからです。
この感受性は人により感度の違いがあります。
例えば、ある人がすごく悲しいと思った物語を別の人は全く悲しいとは思わなかったとか、ある人がひどく臭いと思ったものを、別の人はそれほど気にならなかったということは、よくあることですよね。
感受性が強いとは、感度が強いということ。多くの人が感じないようなことも感じ取ってしまう。そうした感度との高い感覚を持っている人が、感受性が強い人ということになります。
感受性が強い人の12個の特徴
感受性が強い人には、共通する特徴があります。ここでは感受性が強い人に良く見られる12個の特徴を紹介します。
1.強い刺激に弱い
電車のホームで聞く発車音にドキドキしてしまう。近くにいる女性の香水の香りが気になって具合が悪くなることがある。照明が明るすぎる部屋にいるとなんだか疲れる。着心地の悪い衣服を身につけると、不快感が強い。けれど周りの人は、そんなに気にならないみたい……。
こんな風に、他の人はそれほど気にならないような刺激にも、敏感に反応し、ダメージを受けてしまいます。
2.一度にたくさんのことをこなすのが苦手
短い時間にたくさんのお願いをされたり、一度にやらなければならないたくさんのことを抱えると、混乱したり、動揺したり。精神的な負荷を大きく感じます。
3.繊細な感覚を感じ取ることができる
人が気づかないような微妙な色合いや、香り、味や音などを感じ取ることができます。
4.感動しやすい
テレビや映画などで、誰も泣いていないシーンで泣いてしまったり、ちょっとしたことに感動します。
5.新しい環境が苦手
そこにどんな刺激が待ち受けているか分からない新しい環境が苦手で、新しいことを始めるのにとても慎重です。
6.人混みにいると疲れる
何をしたわけでもないのに、人混みの中にいるだけで、どっと疲れてしまい、ひどいと頭痛や吐き気がする場合もあります。
7.人の気持ちが分かりすぎる
人が言葉にしていない気持ちを敏感に察知してしまいます。相手の嘘や、本音で話していないことがなんとなく分かってしまうため、対人関係にストレスを感じやすいです。
8.人の痛みに敏感
人の痛みに敏感なため、悲しい事件のニュースを聞くと、とても苦しくなります。また、暴力的なシーンがある映画やドラマも見ることができません。
9.イライラしている人が苦手
人のイライラした気持ちに敏感で、イライラしているのが「自分のせい」のように感じてしまうことがあります。
10.体調不良の人と一緒にいると、具合が悪くなる
感受性の中でも共感力が強めの人は、隣にいる人の体調不良を同じように感じてしまい、具合が悪くなってしまいます。
11.動物の気持ちがわかる
言葉を話さない動物ですが、「喜んでるな」「怒ってるな」といった感情を感じ取ることができます。
12.場の空気を感じる
「なんとなく気持ちが悪い」「なんとなく清々しい感じがする」など、その場に流れるエネルギーの良し悪しを感知することができます。
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感受性が強い人は、HSPやエンパスかも?
アメリカの心理学者であるエレイン・アーロン博士が、1991年から生まれつき敏感で感受性の高い気質の研究をはじめ、刺激に敏感な感受性が強い人を「HSP(Highly Sensitive Person)=高度に感受性が強い人」と名付けました。
日本でも最近、HSPの本が発売されたり、少しずつ認知度が上がってきていると思います。
また、HSPの特性のなかでも特に共感力が人一倍強い人は、エンパスの可能性があります。先に挙げた11個の特徴の中では、6~11の項目に関してはエンパスの特徴です。
HSPとは
HSPは、病気や機能的な障がいではありません。生まれ持った性質、遺伝的な脳の特性で、HSPではない人の脳とHSPの人の脳を比べると、異なった働き方をすることが分かっています。
エレイン・アーロン博士によると、HSPは、全人口の15~20%の割合を占めるそうです。つまり、少数派ではありますが、4~5人に1人の割合で、HSPの人は存在するのです。
HSPは人間だけの特性ではなく、100種以上の生物に同じような特性が見られ、行動を起こす前にとても慎重になるのは、生物として生きていくために必要な能力だからだろうと考えられています。
自分がHSPか確認するには、エレイン・アーロン博士のHPにあるHSPのセルフチェックがおすすめです。
▶ HSPセルフテスト
(出典:The Highly Sensitive Person)
エンパスとは
エンパスは、empathy(共感)の能力のことで、高い共感力のことをさします。
「共感力」と聞くと、コミュニケーションの上で必要な力であるとイメージするかもしれません。しかし、エンパスの人たちの共感力は、通常の人たちが他者にする共感とは少し異なります。
過剰に相手に共感してしまい、相手の感情と自分の感情を無意識に融合してしまうのが特徴です。
例えば、エンパスではない人が誰かの話に共感するとき。共感した感情が、相手の感情だと分かっています。しかし、エンパスの人は、相手の感情を自分感情と混同してしまうんです。
エンパスである自覚がないと、常に共感スイッチがオンの状態のため、他者への共感は24時間絶え間なく続きます。すると、いつも自分の内側を他者に侵されている状態になってしまいます。
HSPとエンパスの違い
「HSPとエンパスはどう違うのか?」
という疑問がわいてきたかもしれませんね。
HSPとエンパスは全く別物ではありません。HSPの特徴の中に、エンパスの特徴が含まれていることからもわかるように、エンパスはHSPの中の共感力が高い人たちのことを指します。
HSP診断で示されている感受性の特徴は、大きく2つに分類することができます。
1.外からの刺激に対する感受性
視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚に対する刺激に敏感
2.自分以外の他者の内面に対しての感受性
他人の感情、場の空気感に敏感で、感じたものを自分の内側と融合させてしまう
HSPの中には、1に対する感受性が強い人、2に対する感受性が強い人、1と2の両方に対して感受性が強い人がいるということです。
1と2の違いについて、感受性が強い人の12の特徴の6「人混みにいると疲れる」を例に考えてみましょう。
外からの刺激に対する感受性が強い人はたくさんの人が行きかうのを見ているだけで視覚的な刺激が強く疲れてしまいます。一方、自分以外の他者の内面に対して感受性が強い人は、そこにいる人たちの様々な感情にさらされて疲れてしまいます。
エンパスの第一人者であるローズ・ロートゥリーさんによると、5人に1人がHSPであり、HSPの中の4人に1人がエンパスとのこと。つまり、100人に5人がエンパスであると言えます。
なお、日本人は100人のうち20人がエンパスだそうで、日本人はエンパスの人が多い国民であるということが分かります。
(出典:https://www.rose-rosetree.com/blog/2011/08/21/hsps-empaths-psychopath/)
HSP エンパス オススメの本
感受性が強く敏感な人に関する書籍はたくさん出版されていますが、その中でもオススメはこちらの本です。
エレイン・アーロン博士は、HSPという言葉を作った、HSP研究の第一人者。
ローズさんは、エンパスという言葉を世に広め、エンパスの生き辛さを解消するためのワークショップを長年続けている方です。
