【連載日記 vol.18】誰かに止めて欲しくて。


 

【連載日記 vol.18】誰かに止めて欲しくて。

※前回までの日記はover30女性の働き方革命バックナンバー

 

客間に佇む忌々しい段ボール箱。

まだあるし…。

目に映るたび、ため息を吐く。


焦燥感に駆られ誘われるがまま買ったそれは、ネットワークビジネスのIT製品だった。

取引先が海外のメーカーで商品キャンセルの手続きや返送がうまくいかず、相談している消費者センターもお手上げ状態。

ここまでくると返金が成立するかも怪しい状況になっていた。

こいつが居る限り、心の深いところで繋がっているもう1人の自分と完全に切れないような、そんな気がしていた。

声をかけられたのはまだ口座に少しお金が残っているタイミングだった。

その時の私は、我が家の家計も省みず早く箱を作りたい一心で“業界の女性スタッフの受け皿を作るんだ”って、“私が早く独立して資金を集めて会社を作るんだ”って、足元はボロボロなのに無装備でロッククライミングに挑むようなことを、何の疑いもなく本気で考えていた。

今になってその時の写真を見ると、やっぱりどこか普通じゃない。

焦点の合わないような、殺気立っているような、自分が自分じゃないような。

何も、何も見えていない目をしている。

「これでご縁は終わりですね」と、猫さまは言った。

「やるのならご縁は終わりです」

割り切ってやれると思っていたけれど、割り切るには心も体ももう疲れ果てていた。

これを始めたら、離れていく人もいるんだろう。

ガツンと怒られてやっと正気に返った。

誰も止めてくれなかった。

誰かに止めて欲しかったんだ。

 見るのは自分です。

「連れて来いって言ってんだろうが!」

ああ…夫がキレた。

「なんでそんなに怒るの…?!」

私も思わず声を荒げてしまう。

向き合わなきゃ、私の心の状態に。

怒りに反応してしまう心の状態を話さないといけなかったのに、話す前にキレてしまった。

開けようとしていた扉が、パタンと閉まった。

やっぱり、やっぱり無理なんじゃないか。

向き合うなんて、到底無理なんじゃないか。

「自分を見るのです。何が耐え難いのか。踏みにじられたものは何か」

猫さまの言葉がよみがえる。

硬直する身体。

恐怖。

怒りに対する逆上。

自分の身を守らなければ、母親のように殴られるかもしれない恐怖、怒り。

荒ぶる感情を抑えるように、目を閉じ大きく呼吸をする。

大丈夫だ、この人は父ではない。

私も、母ではないのだ。

泣きながら心を整理し、翌朝ゆっくり話をする。

私が怒りに過剰反応する理由、父親と母親のこと、心の葛藤と夫への感情のこと。

途切れ途切れ震える声で聞き辛かったかもしれない。

私に背を向けたままの夫は、聞いてるのか聞いていないのか分からないまま。

今日はもう、これだけで精一杯。

【連載日記 vol.19】に続く)

 

 

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