【連載日記 vol.16】生き続けるのは同じなら


 

【連載日記 vol.16】生き続けるのは同じなら

※前回までの日記はover30女性の働き方革命バックナンバー

 

雨上がりと同時に、私の心にも晴れ間が見える。

今日は6年勤めた会社の退社日。

昨日まではあんなに寂しかったのに、今日はなんだろう。

何も感じないな。

結局スタッフともきちんと顔を合わせなかった。

なんだかんだタイミングもずれてたし、まぁ、あっけないもんだ。

15年、正社員を続けてきた。

途中、転職もあったけれど保険は任意継続で繋げてきて、失業手当をもらう前に次の箱を決めてきた。

必死に握り締めてきた正社員。

今私に残っているものは何だろう。

「会社員というのは、自分がうまく貢献できなかった月も、当然のようにお給料がもらえる。

でも、物井さんはこれから、やり続けないとお金が入らない。

やり続けるんですね」と、取引先に言われた。

しんどいですねってニュアンスなんだろうけど、しんどいよ。

どっちに転んでも。

頑張って生き続けるのは、どっちも同じ。

それなら自分が救える方をせめて選んでいきたいじゃない。

「もう辞めたら?」と、言ったのは夫の方だった。

「少し休んだらいい。

機材が必要なら俺の使え」

私は子供のようにコクンと頷き、朝の準備もお願いして寝室に戻った。

母からの自立

母に、今日は電話するのを止めてみた。

特に息子を産んでからは、毎日のように電話をかけていた。

乳幼児の頃は、日々変わる息子の様子を細かく報告した。

少し大きくなってからは、話し相手が欲しくて電話した。

会社へ復帰してからは、泣きごとを聞いてもらいたくて電話した。

起業してからは、息子への怒りを紛らわそうと電話した。

全て、夫に出来ることだった。

母に話した分、夫に話さなくなった。

大学2年の必須科目で、色彩学の授業があった。

その教授は変態のような天才で、何百人という生徒の名前も特性も一度聞いたら忘れない、奇妙なことを言う変わった人だった。

その日は、好きな色を好きな順に上から並べ、そのカラー表を見て教授が一人一人の性格を診断するという授業だった。

私は上から確か暗い暗いボルドー、エメラルドグリーン、グレー、モスグリーン、黒、黄色、みたいな順に並べていたと思う。

カラー表を見ながら教授は「おやおや?君は…」と言いながら眼鏡をずり落とす。

大きなぎょろっとした目で、私の目をじぃっと覗き込む。

「お母さんと、離れなさい」

「自立、しなさいね」

理由のわからない涙がホロっと落ちた20歳の秋、私は家を出て、一人暮らしを始めた。

37歳になった今、猫さまが指摘するのは未だに母との癒着。

身体が離れようが、距離が広がろうが、私の心にはぴったりと母の存在がくっついていた。

【連載日記 vol.17】に続く)

 

 

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